1: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:00:00 ID:???00
ドンドンドン‼︎!
「姫芽ちゃんー……!! 助けてー……」グスッ
姫芽「ん~……? この声は、小鈴ちゃん? こんな時間に、どうしたんだろ~……?」
ガチャ
姫芽「は~い、どうしたの、小鈴ちゃ──って、え」
小鈴「姫芽ちゃん……徒町、徒町……!」
小鈴「──恐竜の、ツノと尻尾が生えてきちゃった……!!」
「姫芽ちゃんー……!! 助けてー……」グスッ
姫芽「ん~……? この声は、小鈴ちゃん? こんな時間に、どうしたんだろ~……?」
ガチャ
姫芽「は~い、どうしたの、小鈴ちゃ──って、え」
小鈴「姫芽ちゃん……徒町、徒町……!」
小鈴「──恐竜の、ツノと尻尾が生えてきちゃった……!!」
2: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:00:59 ID:???00
────
「「「「「「「「先祖返りーー!?!?」」」」」」」」
小鈴「はい……徒町もつい昨日、実家に電話して初めて知ったのですが、そうみたいで……」
花帆「先祖返りって……え、小鈴ちゃん、先祖に恐竜がいたの!?」ガタッ
小鈴「詳しくは定かではないのですが……なにぶん福井の漁師として長く続いている血筋、どこかで恐竜が紛れ込んだ、ということらしく……」
吟子「恐竜の血が紛れることなんてあるんだ……」
「「「「「「「「先祖返りーー!?!?」」」」」」」」
小鈴「はい……徒町もつい昨日、実家に電話して初めて知ったのですが、そうみたいで……」
花帆「先祖返りって……え、小鈴ちゃん、先祖に恐竜がいたの!?」ガタッ
小鈴「詳しくは定かではないのですが……なにぶん福井の漁師として長く続いている血筋、どこかで恐竜が紛れ込んだ、ということらしく……」
吟子「恐竜の血が紛れることなんてあるんだ……」
3: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:01:59 ID:???00
さやか「……えっと、では、今小鈴さんの頭に生えているツノが恐竜のそれ……だということですか?」
綴理「つの、かわいいね、すず」ニコニコ
姫芽「わかります~! アタシも、昨日見たときからずっと思ってたけど、そのツノ、小鈴ちゃんにすっごく似合ってるよね~」
小鈴「そ、そうかな? 徒町には、よく分からないけど……」
慈「うーん……ぱっと見は本当、ただの可愛いアクセにしか見えないんだよねー」ジー
小鈴「でも、確かに徒町の頭から生えているんです! これはツノです!」グッ
瑠璃乃「でぃすいず、つの……だね」ウンウン
梢「ツノは英語でhornよ、瑠璃乃さん」
綴理「つの、かわいいね、すず」ニコニコ
姫芽「わかります~! アタシも、昨日見たときからずっと思ってたけど、そのツノ、小鈴ちゃんにすっごく似合ってるよね~」
小鈴「そ、そうかな? 徒町には、よく分からないけど……」
慈「うーん……ぱっと見は本当、ただの可愛いアクセにしか見えないんだよねー」ジー
小鈴「でも、確かに徒町の頭から生えているんです! これはツノです!」グッ
瑠璃乃「でぃすいず、つの……だね」ウンウン
梢「ツノは英語でhornよ、瑠璃乃さん」
4: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:03:00 ID:???00
小鈴「えっと、それでご相談なのですが……」
小鈴「徒町、こんな状態でラブライブ!に出場していいのでしょうか……みなさんの足を引っ張ってしまうかもしれないのに……」
花帆「? 足を引っ張る、って?」
小鈴「その……せっかくのラブライブ!大会、こんな……ツノや尻尾が生えた不完全な徒町など、いたらかえって迷惑なのではと──」
さやか「! 小鈴さん、それは違います」ガタッ
小鈴「!? さ、さやか先輩……?」
小鈴「徒町、こんな状態でラブライブ!に出場していいのでしょうか……みなさんの足を引っ張ってしまうかもしれないのに……」
花帆「? 足を引っ張る、って?」
小鈴「その……せっかくのラブライブ!大会、こんな……ツノや尻尾が生えた不完全な徒町など、いたらかえって迷惑なのではと──」
さやか「! 小鈴さん、それは違います」ガタッ
小鈴「!? さ、さやか先輩……?」
5: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:04:00 ID:???00
さやか「小鈴さんは、いなくてはならない存在です。恐竜だろうが何だろうが、今の小鈴さんが迷惑だなんて、あり得ません」
さやか「わたしは、他でもないあなたと一緒にスクールアイドルとしてラブライブ!に挑みたいと考えています。……小鈴さんは、どうですか?」
小鈴「さやか先輩…………!」
小鈴「……徒町、少し弱気になっていたみたいです! 恐竜になった徒町でも、先輩方と一緒に、より一層精進したいです!」
さやか「! はい、頑張りましょう、小鈴さん」ニコッ
さやか「わたしは、他でもないあなたと一緒にスクールアイドルとしてラブライブ!に挑みたいと考えています。……小鈴さんは、どうですか?」
小鈴「さやか先輩…………!」
小鈴「……徒町、少し弱気になっていたみたいです! 恐竜になった徒町でも、先輩方と一緒に、より一層精進したいです!」
さやか「! はい、頑張りましょう、小鈴さん」ニコッ
6: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:05:00 ID:???00
梢「ふふっ、どうやら丸くおさまったみたいね」クスッ
梢「さて、それならラブライブ!大会に向けた練習に集中よ! 残された時間を大切に、張り切っていきましょう!」
「「「「「「「「「おー!!」」」」」」」」」
梢「さて、それならラブライブ!大会に向けた練習に集中よ! 残された時間を大切に、張り切っていきましょう!」
「「「「「「「「「おー!!」」」」」」」」」
7: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:06:00 ID:???00
────
小鈴「ちぇすとー!!!」タッタッタッ
姫芽「こ、小鈴ちゃん速い~……」
綴理「すず、いつもよりずっと元気だね」チラッ
花帆「はぁ、はぁ、さすが小鈴ちゃん……気合い、入ってる……!」ハァハァ
さやか「花帆さんがバテていてどうするんですか……」
小鈴「ちぇすとー!!!」タッタッタッ
姫芽「こ、小鈴ちゃん速い~……」
綴理「すず、いつもよりずっと元気だね」チラッ
花帆「はぁ、はぁ、さすが小鈴ちゃん……気合い、入ってる……!」ハァハァ
さやか「花帆さんがバテていてどうするんですか……」
8: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:07:01 ID:???00
小鈴「──徒町、なんだか力が溢れてきて止まりません! どこまでだって走れてしまいそうです!」メラメラ
姫芽「ふふ、小鈴ちゃんがやる気だ~」ニコッ
綴理「でも、頑張りすぎも大変だから。すず、今度のお休みの日、ボクと一緒にお昼寝しよう」
小鈴「! もちろんです! 徒町、綴理大先輩のいるところなら、どこだって馳せ参じます!」
綴理「おー」
姫芽「ふふ、小鈴ちゃんがやる気だ~」ニコッ
綴理「でも、頑張りすぎも大変だから。すず、今度のお休みの日、ボクと一緒にお昼寝しよう」
小鈴「! もちろんです! 徒町、綴理大先輩のいるところなら、どこだって馳せ参じます!」
綴理「おー」
9: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:08:00 ID:???00
花帆「んー、それにしても……小鈴ちゃんが急に体力ついたのって、恐竜になったから、なのかな?」
さやか「それもあるかもしれませんが……やはり、小鈴さん自身の頑張りの成果だと思いますよ」チラッ
小鈴「ちぇすとーーー!!!」タッタッ
姫芽「あれ、小鈴ちゃんまだ走るの~!?」
小鈴「少しだけ! やっぱり徒町、ラブライブ!に向けて頑張りたいから!」グッ
さやか「それもあるかもしれませんが……やはり、小鈴さん自身の頑張りの成果だと思いますよ」チラッ
小鈴「ちぇすとーーー!!!」タッタッ
姫芽「あれ、小鈴ちゃんまだ走るの~!?」
小鈴「少しだけ! やっぱり徒町、ラブライブ!に向けて頑張りたいから!」グッ
10: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:09:00 ID:???00
さやか「小鈴さんは、いつだって全力を尽くして頑張っているんです。そんな頑張りが報われた、と考えたほうが嬉しいじゃないですか」フフッ
花帆「そうだね、確かに! 小鈴ちゃん、すっごい頑張り屋さんだもんね!」ニコッ
さやか「はい、本当に……いいですよね、小鈴さん……」ジー
花帆「…………ふふっ」クスッ
花帆「さやかちゃん! ……いつかちゃんと、小鈴ちゃんに伝えられるといいね! “大好き”って!」
さやか「!?!?」
花帆「そうだね、確かに! 小鈴ちゃん、すっごい頑張り屋さんだもんね!」ニコッ
さやか「はい、本当に……いいですよね、小鈴さん……」ジー
花帆「…………ふふっ」クスッ
花帆「さやかちゃん! ……いつかちゃんと、小鈴ちゃんに伝えられるといいね! “大好き”って!」
さやか「!?!?」
11: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:10:00 ID:???00
花帆「あ、もちろん恋愛的な意味でね!」フンフン
さやか「ば……バレてたんですか!?」
花帆「そりゃもう! さやかちゃんってば、いつも小鈴ちゃんから目が離せないって言って、ずっと見つめてたし……わかりやすすぎだよ!」
さやか「そ、そう……でしたか……そんなに一目瞭然だったとは……」
花帆「でもでも! あたしは、さやかちゃんの恋愛応援するから! 何か進展したら、花帆に色々教えてね!」ニコッ
さやか「それはただ、花帆さんが楽しみたいだけでは? ……でも、そうですね」
さやか「……この気持ちを、いつか小鈴さんに……」グッ
さやか「ば……バレてたんですか!?」
花帆「そりゃもう! さやかちゃんってば、いつも小鈴ちゃんから目が離せないって言って、ずっと見つめてたし……わかりやすすぎだよ!」
さやか「そ、そう……でしたか……そんなに一目瞭然だったとは……」
花帆「でもでも! あたしは、さやかちゃんの恋愛応援するから! 何か進展したら、花帆に色々教えてね!」ニコッ
さやか「それはただ、花帆さんが楽しみたいだけでは? ……でも、そうですね」
さやか「……この気持ちを、いつか小鈴さんに……」グッ
12: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:11:00 ID:???00
────
小鈴「梢先輩! その角材、徒町に運ばせてください!」
梢「あら、いいの小鈴さん? 少し重いと思うのだけれど……」
小鈴「いえ、だってステージ作りに使うんですよね? 徒町、ラブライブ!のために、お手伝いできることは何でもしたいので!」グッ
小鈴「それに……よっ、と」ガシッ
梢「……! そんな量を軽々と……」
小鈴「今の徒町は、恐竜なので! これくらい朝飯前です!」グッ
小鈴「梢先輩! その角材、徒町に運ばせてください!」
梢「あら、いいの小鈴さん? 少し重いと思うのだけれど……」
小鈴「いえ、だってステージ作りに使うんですよね? 徒町、ラブライブ!のために、お手伝いできることは何でもしたいので!」グッ
小鈴「それに……よっ、と」ガシッ
梢「……! そんな量を軽々と……」
小鈴「今の徒町は、恐竜なので! これくらい朝飯前です!」グッ
13: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:12:00 ID:???00
綴理「最近のすず、すごく頑張ってるね。恐竜になって、もっと強く黄色が見えるんだ」
さやか「ふふっ、そうですね。小鈴さんも、明るく過ごしているようで何よりです」
さやか「恐竜になって足を引っ張ってしまうかも……と部室で深刻そうな顔をしていたときは、本当に心配しましたが……大丈夫そうですね」ニコッ
綴理「……さや、いい先輩、してるね」フフッ
さやか「? そう、でしょうか?」
さやか「ふふっ、そうですね。小鈴さんも、明るく過ごしているようで何よりです」
さやか「恐竜になって足を引っ張ってしまうかも……と部室で深刻そうな顔をしていたときは、本当に心配しましたが……大丈夫そうですね」ニコッ
綴理「……さや、いい先輩、してるね」フフッ
さやか「? そう、でしょうか?」
14: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:13:00 ID:???00
綴理「うん。さやは、すずが抑えようとしてた気持ちを、外の世界に連れて行ける」
綴理「いつだってさやは、人の気持ちを引っ張ってくるのが上手だよね。ボクにだって、そうだった」
さやか「そう……でしたかね? わたしは寧ろ、綴理先輩に教わってばかりで、引っ張っていったという感じではないと思いますけど……」
綴理「でも、ボクをスクールアイドルにしてくれたのは、さやだ。さやは、ボクを舞台の上に引っ張り上げてくれたんだよ」
さやか「!」
綴理「いつだってさやは、人の気持ちを引っ張ってくるのが上手だよね。ボクにだって、そうだった」
さやか「そう……でしたかね? わたしは寧ろ、綴理先輩に教わってばかりで、引っ張っていったという感じではないと思いますけど……」
綴理「でも、ボクをスクールアイドルにしてくれたのは、さやだ。さやは、ボクを舞台の上に引っ張り上げてくれたんだよ」
さやか「!」
15: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:14:00 ID:???00
綴理「それに、毎日だって、さやはボクを引っ張ってる」
さやか「……? 毎日、ですか?」
綴理「うん。ボクを朝起こすとき。さやは、ボクを引っ張ってるよ?」
さやか「……いや、確かにそれはそうですけど! そういう意味の引っ張る、じゃありませんよね!?」
綴理「ふふっ、そうかも」クスッ
さやか「か、揶揄ってるんですか、もう……」フフッ
さやか「……? 毎日、ですか?」
綴理「うん。ボクを朝起こすとき。さやは、ボクを引っ張ってるよ?」
さやか「……いや、確かにそれはそうですけど! そういう意味の引っ張る、じゃありませんよね!?」
綴理「ふふっ、そうかも」クスッ
さやか「か、揶揄ってるんですか、もう……」フフッ
16: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:15:00 ID:???00
────
姫芽「今日も練習頑張った~……もうあと少しで、ラブライブ!大会かぁ~」
小鈴「うぅーん……徒町、もうちょっと走ってこようかな?」スタッ
吟子「ストップ、小鈴。少しくらい休んだほうがいいと思うよ? 頑張りすぎも良くないし……」
姫芽「うんうん、小鈴ちゃんが恐竜になって、はや二週間……ずっと頑張りっぱなしだもんね」
姫芽「今日も練習頑張った~……もうあと少しで、ラブライブ!大会かぁ~」
小鈴「うぅーん……徒町、もうちょっと走ってこようかな?」スタッ
吟子「ストップ、小鈴。少しくらい休んだほうがいいと思うよ? 頑張りすぎも良くないし……」
姫芽「うんうん、小鈴ちゃんが恐竜になって、はや二週間……ずっと頑張りっぱなしだもんね」
17: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:16:00 ID:???00
小鈴「でも徒町、さやか先輩と一緒のステージに立つんだし……もっともっと練習したくて!」グッ
姫芽「小鈴ちゃんは~、さやかせんぱいが“大好き”なんだね~」ニコッ
小鈴「それはもちろん! さやか先輩は、こんな徒町に手を差し伸べてくれた大恩人だもん! 徒町が恐竜になってからも、優しくしてくれて……」
小鈴「だからこそ! 徒町は、さやか先輩にご指導いただいた分、今の全力を見せたいんだ!」
吟子「ふふっ、そういうの、小鈴らしいね」クスッ
姫芽「小鈴ちゃんは~、さやかせんぱいが“大好き”なんだね~」ニコッ
小鈴「それはもちろん! さやか先輩は、こんな徒町に手を差し伸べてくれた大恩人だもん! 徒町が恐竜になってからも、優しくしてくれて……」
小鈴「だからこそ! 徒町は、さやか先輩にご指導いただいた分、今の全力を見せたいんだ!」
吟子「ふふっ、そういうの、小鈴らしいね」クスッ
18: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:17:00 ID:???00
吟子「……でも、小鈴が無理に頑張りすぎて、万が一怪我でもしたら……余計、先輩方に心配をかけることになると思うよ?」
小鈴「はっ! それは、確かに……」フム
姫芽「そうそう、小鈴ちゃんが本番で、先輩と一緒に全力を出すためにも、キチンと休んだほうがいいよ~」ニコッ
小鈴「そっかぁ……そうだよね! ありがとう、二人とも! 徒町、ちゃんと休息チャレンジにも挑戦してみる!」グッ
姫芽「おぉ、いいね~。小鈴ちゃん、しっかり休んで、大きくなろうね~」ナデナデ
小鈴「……姫芽ちゃん、徒町のことを小さい子どもだと思ってる?」
小鈴「はっ! それは、確かに……」フム
姫芽「そうそう、小鈴ちゃんが本番で、先輩と一緒に全力を出すためにも、キチンと休んだほうがいいよ~」ニコッ
小鈴「そっかぁ……そうだよね! ありがとう、二人とも! 徒町、ちゃんと休息チャレンジにも挑戦してみる!」グッ
姫芽「おぉ、いいね~。小鈴ちゃん、しっかり休んで、大きくなろうね~」ナデナデ
小鈴「……姫芽ちゃん、徒町のことを小さい子どもだと思ってる?」
19: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:18:00 ID:???00
吟子「そうだ。大きく、と言えば…………小鈴、最近ちょっとずつ身体が大きくなってきてない?」
小鈴「? え、そう……かなぁ?」
姫芽「あ、それアタシも思ってたかも。こう、なんというか……存在感が増したというか~」
吟子「存在感、どころか物理的になんだけど……綴理先輩と並ぶくらい、身長も伸びてる気がしてて」
小鈴「!? そ、それって、徒町が大きくなったからだったんだ……! 綴理先輩が徒町のために、わざわざ目線を合わせて話してくれているのかと……」
吟子「いや、そんなわけないでしょ…………とも言い難いのかな……?」
姫芽「つづりせんぱい優しいから、小鈴ちゃんのためなら全然、目線を合わせるために屈んでくれそうだもんね~」アハハ
小鈴「? え、そう……かなぁ?」
姫芽「あ、それアタシも思ってたかも。こう、なんというか……存在感が増したというか~」
吟子「存在感、どころか物理的になんだけど……綴理先輩と並ぶくらい、身長も伸びてる気がしてて」
小鈴「!? そ、それって、徒町が大きくなったからだったんだ……! 綴理先輩が徒町のために、わざわざ目線を合わせて話してくれているのかと……」
吟子「いや、そんなわけないでしょ…………とも言い難いのかな……?」
姫芽「つづりせんぱい優しいから、小鈴ちゃんのためなら全然、目線を合わせるために屈んでくれそうだもんね~」アハハ
20: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:19:00 ID:???00
吟子「まぁでも本当、小鈴が日を追うごとに大きくなってくから……衣装の手直しも、後で取り掛からなきゃだね」
小鈴「あ、そっか、衣装にも影響が……! あわわ、徒町、吟子ちゃんに多大なるご迷惑を……!」アワアワ
吟子「大丈夫だよ、小鈴。実際、手直し自体は楽しい作業だから、別にそこまでじゃないし……」
吟子「それに、身体が大きくなってること自体、小鈴にはどうしようもないことだと思うから」
小鈴「? それは、どういう……?」
吟子「だって……多分だけど小鈴が大きくなったのって、恐竜になった影響じゃない?」
小鈴「あ、そっか、衣装にも影響が……! あわわ、徒町、吟子ちゃんに多大なるご迷惑を……!」アワアワ
吟子「大丈夫だよ、小鈴。実際、手直し自体は楽しい作業だから、別にそこまでじゃないし……」
吟子「それに、身体が大きくなってること自体、小鈴にはどうしようもないことだと思うから」
小鈴「? それは、どういう……?」
吟子「だって……多分だけど小鈴が大きくなったのって、恐竜になった影響じゃない?」
21: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:20:00 ID:???00
小鈴「恐竜になった影響……」
姫芽「うんうん、小鈴ちゃんが最近、一気に体力とか、力がついたのと同じで~……身体の大きさにも恐竜の影響が出てるんだね~」ニッ
吟子「そういうこと。小鈴が止めようとして、止められるものじゃないと思う」
小鈴「な、なるほど、徒町が恐竜になったから……徒町、全然気づかなかったや……」
吟子「……そういうところも、ある意味小鈴らしいのかもね」フフッ
姫芽「うんうん、小鈴ちゃんが最近、一気に体力とか、力がついたのと同じで~……身体の大きさにも恐竜の影響が出てるんだね~」ニッ
吟子「そういうこと。小鈴が止めようとして、止められるものじゃないと思う」
小鈴「な、なるほど、徒町が恐竜になったから……徒町、全然気づかなかったや……」
吟子「……そういうところも、ある意味小鈴らしいのかもね」フフッ
22: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:21:00 ID:???00
小鈴「……あ! でも、だったら……徒町、もっともっと大きくなれたりするのかな?」
小鈴「それこそ徒町、このままいけば身長二メートルも夢じゃない、かも!」ワクワク
姫芽「あぁそっか、小鈴ちゃん、前からずっと身長伸ばしたがってたもんね~」ニコッ
吟子「ふふっ、嬉しそうだね、小鈴」クスッ
小鈴「うん! なんだか徒町、恐竜に先祖返りを起こしてからというもの、良いことばかりで……」
小鈴「──徒町、恐竜になれてよかったかも!」ニコッ
小鈴「それこそ徒町、このままいけば身長二メートルも夢じゃない、かも!」ワクワク
姫芽「あぁそっか、小鈴ちゃん、前からずっと身長伸ばしたがってたもんね~」ニコッ
吟子「ふふっ、嬉しそうだね、小鈴」クスッ
小鈴「うん! なんだか徒町、恐竜に先祖返りを起こしてからというもの、良いことばかりで……」
小鈴「──徒町、恐竜になれてよかったかも!」ニコッ
23: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:22:00 ID:???00
────
深夜
小鈴「……うう、もう寝なくちゃいけない時間なんだけど……」
小鈴「なんだか、お腹へっちゃったなぁ……」グゥ
小鈴「……仕方ない! 寮の共用キッチンまで行って、何か食べてこよう!」ガバッ
深夜
小鈴「……うう、もう寝なくちゃいけない時間なんだけど……」
小鈴「なんだか、お腹へっちゃったなぁ……」グゥ
小鈴「……仕方ない! 寮の共用キッチンまで行って、何か食べてこよう!」ガバッ
24: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:23:00 ID:???00
小鈴「こんなところ、さやか先輩に見つかったら、怒られてしまう気がしますが……徒町の胃袋はもう悲鳴をあげていて、耐えられそうにないのです……」
小鈴「もしかして、これも恐竜になった影響なのかなぁ……」トコトコ
小鈴「……着いた! ここが、夜の蓮ノ空キッチン……!」
小鈴「さて、徒町は瑠璃乃先輩から、以前教えていただきました……お夜食のカップラーメンのおいしさ、というものを……!」
小鈴「共用の食品棚に置いてあるから食べていいよ、と瑠璃乃先輩に仰っていただいていたので、僭越ながら……」ゴソゴソ
小鈴「お湯を入れて……あとは待つだけ!」
小鈴「もしかして、これも恐竜になった影響なのかなぁ……」トコトコ
小鈴「……着いた! ここが、夜の蓮ノ空キッチン……!」
小鈴「さて、徒町は瑠璃乃先輩から、以前教えていただきました……お夜食のカップラーメンのおいしさ、というものを……!」
小鈴「共用の食品棚に置いてあるから食べていいよ、と瑠璃乃先輩に仰っていただいていたので、僭越ながら……」ゴソゴソ
小鈴「お湯を入れて……あとは待つだけ!」
25: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:24:00 ID:???00
小鈴「……そろそろ、三分経ったかな? 蓋を開けて、っと」ペリペリ
小鈴「深夜に食べるカップラーメン……! いただきます!」ズズッ
小鈴「……? あれ──」
小鈴「!? けほっ、ごほっ、ごほっ……!?」
小鈴「深夜に食べるカップラーメン……! いただきます!」ズズッ
小鈴「……? あれ──」
小鈴「!? けほっ、ごほっ、ごほっ……!?」
26: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:25:00 ID:???00
小鈴「た、食べ物が……喉を通らない……?」
小鈴「これって……」ハッ
小鈴「…………もしかして徒町、人間じゃなくなってる……?」
小鈴「これって……」ハッ
小鈴「…………もしかして徒町、人間じゃなくなってる……?」
27: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:26:00 ID:???00
小鈴「……そう、だよね。恐竜に近付いたのなら、人間から遠ざかるのは、当たり前……」
小鈴「人間の料理が食べられないくらい……でも、それってもう、徒町は……」
小鈴「……」
小鈴「…………だとしたら徒町、さやか先輩に合わせる顔がないよ……」
小鈴「人間の料理が食べられないくらい……でも、それってもう、徒町は……」
小鈴「……」
小鈴「…………だとしたら徒町、さやか先輩に合わせる顔がないよ……」
28: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:27:00 ID:???00
────
──数日後
さやか「──はい、そこまでです。そろそろお昼なので、みんなでお昼ご飯にしましょう」
綴理「やったー、さやのお弁当が食べられる」
さやか「ふふっ、はい。腕によりをかけて作りましたよ」ニコッ
さやか「小鈴さんも、息を整えたら、こちらへどうぞ」
小鈴「……」
さやか「? 小鈴さん?」
──数日後
さやか「──はい、そこまでです。そろそろお昼なので、みんなでお昼ご飯にしましょう」
綴理「やったー、さやのお弁当が食べられる」
さやか「ふふっ、はい。腕によりをかけて作りましたよ」ニコッ
さやか「小鈴さんも、息を整えたら、こちらへどうぞ」
小鈴「……」
さやか「? 小鈴さん?」
29: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:28:00 ID:???00
小鈴「あ……えと、徒町、少し食欲がないみたいで……」
さやか「そう、なんですか? ですが、食べないと栄養になりませんから……せめて、ドリンクだけでも──」
小鈴「ご、ごめんなさい、さやか先輩! 徒町、少し外の空気を吸ってきます!」タッタッ
さやか「……小鈴さん?」
さやか「そう、なんですか? ですが、食べないと栄養になりませんから……せめて、ドリンクだけでも──」
小鈴「ご、ごめんなさい、さやか先輩! 徒町、少し外の空気を吸ってきます!」タッタッ
さやか「……小鈴さん?」
30: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:29:00 ID:???00
────
小鈴「……はぁ」トボトボ
小鈴「こんなことになっちゃうなんて……恐竜になってよかった、なんて、もう言えるわけないや……」
小鈴「……さやか先輩のお料理だって、今の徒町には食べられないし……代わりの食べ物は持ってきたけど……」サッ
小鈴「でも、こんなの……徒町はもう、人間じゃないよ……」
小鈴「……食べるしかない、のかな、これ」ハァ
小鈴「……いただきます」パンッ
「──ま、待ってください、小鈴さん!」
小鈴「……はぁ」トボトボ
小鈴「こんなことになっちゃうなんて……恐竜になってよかった、なんて、もう言えるわけないや……」
小鈴「……さやか先輩のお料理だって、今の徒町には食べられないし……代わりの食べ物は持ってきたけど……」サッ
小鈴「でも、こんなの……徒町はもう、人間じゃないよ……」
小鈴「……食べるしかない、のかな、これ」ハァ
小鈴「……いただきます」パンッ
「──ま、待ってください、小鈴さん!」
31: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:30:00 ID:???00
小鈴「? あ……さ、さやか先輩!?」
さやか「ふぅ……追いつきましたよ、小鈴さん」ハァハァ
小鈴「さ、さやか先輩、なんで……」
さやか「何故って……誰だって、あんなに悲しい顔をして出て行かれたら……何より優先して、会いにいくものですよ」
小鈴「! さやか先輩……」
さやか「小鈴さん。それ……生肉、ですよね」チラッ
小鈴「……」
さやか「ふぅ……追いつきましたよ、小鈴さん」ハァハァ
小鈴「さ、さやか先輩、なんで……」
さやか「何故って……誰だって、あんなに悲しい顔をして出て行かれたら……何より優先して、会いにいくものですよ」
小鈴「! さやか先輩……」
さやか「小鈴さん。それ……生肉、ですよね」チラッ
小鈴「……」
32: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:31:00 ID:???00
さやか「……もしかして、ずっとこんな食事を?」
小鈴「い、いえ……ここ数日は、何も食べないで過ごしていました。……でも、もう限界だったんです」
さやか「……」
小鈴「…………ごめんなさい、さやか先輩。徒町、さやか先輩が作ったお料理を断ったりなんかして……」
さやか「……いえ、それに関しては全く怒ってなんかいませんよ。ですが、相談してもらえなかったのは少し、寂しいかもしれません」
小鈴「……さやか先輩」
さやか「わたしは、小鈴さんのことを誰よりもよく見ています。スクールアイドルとしても、小鈴さんには期待していて……」
小鈴「……いえ、さやか先輩」
小鈴「──徒町はもう、スクールアイドルでは……ないんです」
小鈴「い、いえ……ここ数日は、何も食べないで過ごしていました。……でも、もう限界だったんです」
さやか「……」
小鈴「…………ごめんなさい、さやか先輩。徒町、さやか先輩が作ったお料理を断ったりなんかして……」
さやか「……いえ、それに関しては全く怒ってなんかいませんよ。ですが、相談してもらえなかったのは少し、寂しいかもしれません」
小鈴「……さやか先輩」
さやか「わたしは、小鈴さんのことを誰よりもよく見ています。スクールアイドルとしても、小鈴さんには期待していて……」
小鈴「……いえ、さやか先輩」
小鈴「──徒町はもう、スクールアイドルでは……ないんです」
33: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:32:00 ID:???00
さやか「っ、それは、どういう……」
小鈴「だってもう……徒町は人間じゃありませんから。スクールアイドルは、人が情熱を持って作り上げるもの、ですよね?」
さやか「小鈴さん……」
小鈴「…………それに徒町、最近時間の感じ方も、おかしいんです」
小鈴「この前、綴理先輩と一緒にお昼寝して、起きたらもう、辺りは真っ暗で……」
小鈴「徒町はほんの数十分眠ったつもりだったのに、本当は二時間経ってたんですよ」
小鈴「だってもう……徒町は人間じゃありませんから。スクールアイドルは、人が情熱を持って作り上げるもの、ですよね?」
さやか「小鈴さん……」
小鈴「…………それに徒町、最近時間の感じ方も、おかしいんです」
小鈴「この前、綴理先輩と一緒にお昼寝して、起きたらもう、辺りは真っ暗で……」
小鈴「徒町はほんの数十分眠ったつもりだったのに、本当は二時間経ってたんですよ」
34: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:33:00 ID:???00
小鈴「徒町はもう、人間というより恐竜でしかなくて」
小鈴「こんな、恐竜になった徒町は……もう、スクールアイドルじゃ、ありません。人間以外がスクールアイドルをやった例なんてないですし……」
さやか「……」
小鈴「だから、さやか先輩。徒町は、もう……」
さやか「……小鈴さん。あなたは一つ、重大な見落としをしています」
小鈴「……? 見落とし、ですか?」
さやか「はい。だって……」
さやか「前例がなければ、作っちゃえばいいんですよ」クスッ
小鈴「…………え?」
小鈴「こんな、恐竜になった徒町は……もう、スクールアイドルじゃ、ありません。人間以外がスクールアイドルをやった例なんてないですし……」
さやか「……」
小鈴「だから、さやか先輩。徒町は、もう……」
さやか「……小鈴さん。あなたは一つ、重大な見落としをしています」
小鈴「……? 見落とし、ですか?」
さやか「はい。だって……」
さやか「前例がなければ、作っちゃえばいいんですよ」クスッ
小鈴「…………え?」
35: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:34:00 ID:???00
さやか「スクールアイドルは、人間でなくてはいけない……なんて、誰が決めたんですか?」
さやか「何かを成し遂げるために全力で頑張っている今の小鈴さんが、スクールアイドルじゃないなんて、言える人はいません」
さやか「小鈴さん自身が、誰よりも小鈴さん自身の頑張りを見落としています。……でもわたしは、それを知っている」
さやか「どれだけ力が強くても、カラダが大きくても……わたしにとって、小鈴さんは大切な後輩の一人」
さやか「小鈴さんは、れっきとした“スクールアイドル”です」
小鈴「……!」
さやか「何かを成し遂げるために全力で頑張っている今の小鈴さんが、スクールアイドルじゃないなんて、言える人はいません」
さやか「小鈴さん自身が、誰よりも小鈴さん自身の頑張りを見落としています。……でもわたしは、それを知っている」
さやか「どれだけ力が強くても、カラダが大きくても……わたしにとって、小鈴さんは大切な後輩の一人」
さやか「小鈴さんは、れっきとした“スクールアイドル”です」
小鈴「……!」
36: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:35:01 ID:???00
小鈴「…………さやか先輩は……今の徒町を、スクールアイドルだって認めてくれるんですか……?」
さやか「もちろんですよ。それに、言ったはずです。恐竜だろうがなんだろうが、小鈴さんが迷惑だなんてあり得ない、と」
小鈴「さやか先輩……」
さやか「食事の方も、わたしに任せてください。流石に肉食の恐竜といえど、生肉しか食べられない、なんてことはないと思うので」
小鈴「え、ま、任せるって、どういう……」
さやか「……その、こういう言い方でいいのか、わかりませんけど」
さやか「小鈴さんのために、わたしがこれからずっと食事を作ります。たとえ、一生かけてでも……側にいますよ」ニコッ
さやか「もちろんですよ。それに、言ったはずです。恐竜だろうがなんだろうが、小鈴さんが迷惑だなんてあり得ない、と」
小鈴「さやか先輩……」
さやか「食事の方も、わたしに任せてください。流石に肉食の恐竜といえど、生肉しか食べられない、なんてことはないと思うので」
小鈴「え、ま、任せるって、どういう……」
さやか「……その、こういう言い方でいいのか、わかりませんけど」
さやか「小鈴さんのために、わたしがこれからずっと食事を作ります。たとえ、一生かけてでも……側にいますよ」ニコッ
37: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:36:00 ID:???00
小鈴「! あ、ありがとうございます、さやか先輩! 徒町、さやか先輩が徒町のために作ってくれる料理なら、毎日でも食べたいです!」
さやか「……//」
小鈴「さやか先輩?」
さやか「……わたしの気持ち、完全には伝わっていないみたいですね、難しい……」ボソッ
小鈴「?」
さやか「……//」
小鈴「さやか先輩?」
さやか「……わたしの気持ち、完全には伝わっていないみたいですね、難しい……」ボソッ
小鈴「?」
38: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:37:00 ID:???00
小鈴「……あ、でも徒町、こんな恐竜の姿で、人間じゃない姿で、さやか先輩に並ぶパフォーマンスができるのか……それも不安で……」
さやか「ふふっ、それは寧ろ、長所になるポイントだと思いますよ」
小鈴「? 長所、ですか?」
さやか「ええ。今の小鈴さんの、恐竜の小鈴さんにしかできない、スクールアイドルとしてのきらめき方があるはずです」
小鈴「恐竜の徒町にしかできない……」
さやか「ふふっ、それは寧ろ、長所になるポイントだと思いますよ」
小鈴「? 長所、ですか?」
さやか「ええ。今の小鈴さんの、恐竜の小鈴さんにしかできない、スクールアイドルとしてのきらめき方があるはずです」
小鈴「恐竜の徒町にしかできない……」
39: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:38:00 ID:???00
さやか「はい。小鈴さんの持っている強み、長所を、さらに活かせるような何かが、必ず」
小鈴「徒町の、長所……ストロングポイント……」ハッ
小鈴「それだったら……あります! 徒町は大きなパフォーマンスが長所だって、吟子ちゃんたちに教わりました!」
さやか「ふふっ、それでしたら今の小鈴さんは、もっとすごいことができそうじゃありませんか?」
小鈴「! そっか、徒町は恐竜だから、前よりもずっと、ずっと大きなパフォーマンスができる……!」
小鈴「徒町の、長所……ストロングポイント……」ハッ
小鈴「それだったら……あります! 徒町は大きなパフォーマンスが長所だって、吟子ちゃんたちに教わりました!」
さやか「ふふっ、それでしたら今の小鈴さんは、もっとすごいことができそうじゃありませんか?」
小鈴「! そっか、徒町は恐竜だから、前よりもずっと、ずっと大きなパフォーマンスができる……!」
40: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:39:00 ID:???00
さやか「恐竜であることも、これから積極的にアピールしていきましょう。今の小鈴さんの姿はかわいくて……わ、わたしも“大好き”、ですから」
小鈴「さやか先輩……! 徒町も、さやか先輩のこと大好きですよ!」ニコッ
さやか「……」ドキッ
さやか「…………本当に、小鈴さんには敵いませんね……//」ボソッ
小鈴「?」
小鈴「さやか先輩……! 徒町も、さやか先輩のこと大好きですよ!」ニコッ
さやか「……」ドキッ
さやか「…………本当に、小鈴さんには敵いませんね……//」ボソッ
小鈴「?」
41: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:40:00 ID:???00
──────
────
──数日後
ドサッ
慈「──はい、これが……今回、蓮ノ空に届いたファンレターの全部! いや……重すぎ、めぐちゃん疲れたー!」ヘタリ
梢「お疲れ様、慈。こんなにファンレターが増えるなんて……本当にライブ、上手くいって良かったわね」フフッ
姫芽「今回のライブ、ネットでもすごいスクールアイドルが現れた~、って話題みたいです~!」
綴理「すずが、頑張ってたもんね」ニコッ
小鈴「はい! 徒町、頑張りました!」グッ
慈「恐竜の力で、綴理を持ち上げるパフォーマンスとかすごかったもんね……会場がめちゃくちゃ沸いてたよ」
────
──数日後
ドサッ
慈「──はい、これが……今回、蓮ノ空に届いたファンレターの全部! いや……重すぎ、めぐちゃん疲れたー!」ヘタリ
梢「お疲れ様、慈。こんなにファンレターが増えるなんて……本当にライブ、上手くいって良かったわね」フフッ
姫芽「今回のライブ、ネットでもすごいスクールアイドルが現れた~、って話題みたいです~!」
綴理「すずが、頑張ってたもんね」ニコッ
小鈴「はい! 徒町、頑張りました!」グッ
慈「恐竜の力で、綴理を持ち上げるパフォーマンスとかすごかったもんね……会場がめちゃくちゃ沸いてたよ」
42: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:41:00 ID:???00
花帆「恐竜系スクールアイドル、爆誕……本当だ、SNSでもたくさん書かれてますね!」
梢「あら、いいじゃない。恐竜系スクールアイドル」クスッ
小鈴「恐竜……! 本当に、人間じゃなくてもスクールアイドルはできるんだ……!」
さやか「ふふっ、よかったですね、小鈴さん」ニコッ
綴理「あ、そうだ。すずー」
小鈴「? なんでしょうか、綴理先輩!」
梢「あら、いいじゃない。恐竜系スクールアイドル」クスッ
小鈴「恐竜……! 本当に、人間じゃなくてもスクールアイドルはできるんだ……!」
さやか「ふふっ、よかったですね、小鈴さん」ニコッ
綴理「あ、そうだ。すずー」
小鈴「? なんでしょうか、綴理先輩!」
43: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:42:00 ID:???00
綴理「すず、元気になった? 前はさやのお弁当、食べないこともあったから」
梢「あら……それは大変ね。小鈴さん、どこか体調でも悪くしていたのかしら?」
小鈴「あ、いえ、そのことなら、もう大丈夫です! 徒町、恐竜になってからというもの、食べるもので色々悩んでいたんですけど……」
小鈴「──さやか先輩に言っていただきましたから! 徒町のために、これからずっと……一生かけてでもご飯を作ります、って!」
「「「「「「「!?」」」」」」」
梢「あら……それは大変ね。小鈴さん、どこか体調でも悪くしていたのかしら?」
小鈴「あ、いえ、そのことなら、もう大丈夫です! 徒町、恐竜になってからというもの、食べるもので色々悩んでいたんですけど……」
小鈴「──さやか先輩に言っていただきましたから! 徒町のために、これからずっと……一生かけてでもご飯を作ります、って!」
「「「「「「「!?」」」」」」」
44: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:43:00 ID:???00
姫芽「そ、それって~……」
瑠璃乃「……ほぼほぼ告白の言葉じゃね? あなたのためにお味噌汁を毎日作ります、みたいな?」
慈「ふふっ、さやかちゃんってば、意外と大胆なんだー」ニヤニヤ
さやか「も、もう! 揶揄わないでください……」
小鈴「? さやか先輩、どういう意味でしょうか、徒町にはよくわからないのですが……?」
さやか「え、ええと…………こほん」
さやか「……いつか必ず、ちゃんとした形で伝えるので、待っていてくださいね、小鈴さん」
小鈴「? はい!」ニコッ
花帆「……さやかちゃんも、意外とこういうことで、ヘタれるタイプだったかぁ……。どこかのセンパイみたいに……」チラッ
梢「花帆? どうして私の方を見ているのかしら?」
瑠璃乃「……ほぼほぼ告白の言葉じゃね? あなたのためにお味噌汁を毎日作ります、みたいな?」
慈「ふふっ、さやかちゃんってば、意外と大胆なんだー」ニヤニヤ
さやか「も、もう! 揶揄わないでください……」
小鈴「? さやか先輩、どういう意味でしょうか、徒町にはよくわからないのですが……?」
さやか「え、ええと…………こほん」
さやか「……いつか必ず、ちゃんとした形で伝えるので、待っていてくださいね、小鈴さん」
小鈴「? はい!」ニコッ
花帆「……さやかちゃんも、意外とこういうことで、ヘタれるタイプだったかぁ……。どこかのセンパイみたいに……」チラッ
梢「花帆? どうして私の方を見ているのかしら?」
45: 名無しで叶える物語◆tFLfI1DC★ 2024/11/01(金) 19:44:00 ID:???00
綴理「みんな楽しそうでいいね。わきあいあいー」
小鈴「はい! 徒町も、このクラブのみんなと一緒にスクールアイドルができて、とっても嬉しいです!」
さやか「小鈴さん。これからも一緒に頑張りましょうね」フフッ
小鈴「! はい、もちろんです、さやか先輩!」
小鈴「これからも恐竜徒町、スクールアイドル活動、頑張ります! ちぇすとーー!!」グッ
おしまい
小鈴「はい! 徒町も、このクラブのみんなと一緒にスクールアイドルができて、とっても嬉しいです!」
さやか「小鈴さん。これからも一緒に頑張りましょうね」フフッ
小鈴「! はい、もちろんです、さやか先輩!」
小鈴「これからも恐竜徒町、スクールアイドル活動、頑張ります! ちぇすとーー!!」グッ
おしまい
46: 名無しで叶える物語◆dZwF9aST★ 2024/11/01(金) 20:00:51 ID:???00
おつ、クオリティ高い
恐竜と交配した先祖やべーなw
恐竜と交配した先祖やべーなw
48: 名無しで叶える物語◆reXj6DYL★ 2024/11/02(土) 12:13:38 ID:???00
何を食べさせてたのかだけが凄く気になる
49: 名無しで叶える物語◆Isiji3hc★ 2024/11/02(土) 14:08:53 ID:???Sa
冷凍マグロならいけるかしら
47: 名無しで叶える物語◆Xi867usT★ 2024/11/01(金) 20:18:49 ID:???Sd
頭おかしい系ssかと思ったらちゃんとした内容
すずさや良いよね
すずさや良いよね
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11210/1730455200/