1: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:18:55.68 ID:37JhQ+yM
理亞「うん。たまにはリフレッシュして。練習も休みにするから」
聖良「店番は?」
理亞「私がやる」
聖良「大丈夫ですか……?」
理亞「安心して。今日は姉様のために、私が全部やるから」
聖良「そ、そう。ありがとう。でも、本当に大丈夫?」
理亞「大丈夫だって言ってるでしょ! もう!」
聖良「店番は?」
理亞「私がやる」
聖良「大丈夫ですか……?」
理亞「安心して。今日は姉様のために、私が全部やるから」
聖良「そ、そう。ありがとう。でも、本当に大丈夫?」
理亞「大丈夫だって言ってるでしょ! もう!」
2: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:20:02.42 ID:37JhQ+yM
理亞「それじゃあ。私は店の方に出てくるから。姉様はゆっくりしてて」トテトテ
聖良「はあ。分かりました」
聖良「……理亞、本当に大丈夫でしょうか。接客は苦手なはずだし」
聖良「うーん。ちょっと、様子を見に行ってみましょうか。お店の制服も着て、と――よし」
聖良「……」ソーッ
理亞「――いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。はい、こちらメニューです、お決まりになりましたらお呼びください」ニコッ
聖良「……」
聖良(ちゃんとやってますね……)
聖良「はあ。分かりました」
聖良「……理亞、本当に大丈夫でしょうか。接客は苦手なはずだし」
聖良「うーん。ちょっと、様子を見に行ってみましょうか。お店の制服も着て、と――よし」
聖良「……」ソーッ
理亞「――いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。はい、こちらメニューです、お決まりになりましたらお呼びください」ニコッ
聖良「……」
聖良(ちゃんとやってますね……)
3: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:20:45.31 ID:37JhQ+yM
理亞「お決まりでしょうか。はい、はい。白玉あんみつパフェ……かしこまりました。少々お待ちください」
聖良(あ、注文が入ったみたいですね。どれ、用意しましょうか。厨房へ向かいましょう)
聖良「~♪」テキパキ
理亞「……姉様。なにしてるの」
聖良「白玉あんみつパフェでしょう? すぐに用意しますね」
理亞「だから何してるの!? 店番は私がやるって言ったでしょ!?」
聖良「い、いいじゃないですか、これくらい。働くことは悪いことじゃないでしょう?」
理亞「ダメ! 今日は姉様にゆっくりしてもらうんだから! ほら、自分の部屋に戻って!」
聖良「わ、分かりました。……そんな怒らなくても」
聖良(あ、注文が入ったみたいですね。どれ、用意しましょうか。厨房へ向かいましょう)
聖良「~♪」テキパキ
理亞「……姉様。なにしてるの」
聖良「白玉あんみつパフェでしょう? すぐに用意しますね」
理亞「だから何してるの!? 店番は私がやるって言ったでしょ!?」
聖良「い、いいじゃないですか、これくらい。働くことは悪いことじゃないでしょう?」
理亞「ダメ! 今日は姉様にゆっくりしてもらうんだから! ほら、自分の部屋に戻って!」
聖良「わ、分かりました。……そんな怒らなくても」
4: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:21:46.02 ID:37JhQ+yM
聖良「締め出されてしまいました。どうしましょうか」
聖良「うーん……」
聖良「そうだ。新曲の歌詞を書きましょう。こういう時間を有効に使わないと」
聖良「作詞ノート、っと。よし、では書きますか。えぇと――最強 最高 最高潮、っと」カキカキ
理亞「……」ガラッ
聖良「あ、理亞。どうしたんですか? お店、手伝いますか?」
理亞「――ふんっ!」パシッ
聖良「あぁっ!? ちょ、作詞ノート取らないでください!」
理亞「休んでてって言ったでしょ! 何で歌詞書いてるの!?」
聖良「だ、だって、時間があるから……」
聖良「うーん……」
聖良「そうだ。新曲の歌詞を書きましょう。こういう時間を有効に使わないと」
聖良「作詞ノート、っと。よし、では書きますか。えぇと――最強 最高 最高潮、っと」カキカキ
理亞「……」ガラッ
聖良「あ、理亞。どうしたんですか? お店、手伝いますか?」
理亞「――ふんっ!」パシッ
聖良「あぁっ!? ちょ、作詞ノート取らないでください!」
理亞「休んでてって言ったでしょ! 何で歌詞書いてるの!?」
聖良「だ、だって、時間があるから……」
5: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:22:32.49 ID:37JhQ+yM
理亞「もう、姉様は今日はゆっくり休むの! 作詞のことは考えなくていいから!」
聖良「いいじゃないですか。ちょっとくらい……」
理亞「ダメ! 休んでもらわないと意味がない!」
聖良「じゃ、じゃあ作曲してもいいですか?」
理亞「ダメ」
聖良「衣装づくりは」
理亞「……」ギロッ
聖良「……はい。分かりました」
理亞「ん。じゃあ店番に戻るから、くれぐれも、ゆっくり休んでてね」スタスタ
聖良「う、うーん……」
聖良「いいじゃないですか。ちょっとくらい……」
理亞「ダメ! 休んでもらわないと意味がない!」
聖良「じゃ、じゃあ作曲してもいいですか?」
理亞「ダメ」
聖良「衣装づくりは」
理亞「……」ギロッ
聖良「……はい。分かりました」
理亞「ん。じゃあ店番に戻るから、くれぐれも、ゆっくり休んでてね」スタスタ
聖良「う、うーん……」
6: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:23:01.84 ID:37JhQ+yM
聖良「……どうしましょうか。休んでて、と言われても」
聖良「そうだ、活動中のスクールアイドルをチェックしましょう。研究は大事――、」
理亞「……」ガラッ
聖良「……」
聖良「いえ、やっぱりA-RISEの動画を見ましょう。ええ、これは完全に趣味です。研究じゃありません」
理亞「……」パタン スタスタ…
聖良「この部屋、監視カメラでも付いてるんでしょうか……」
聖良「そうだ、活動中のスクールアイドルをチェックしましょう。研究は大事――、」
理亞「……」ガラッ
聖良「……」
聖良「いえ、やっぱりA-RISEの動画を見ましょう。ええ、これは完全に趣味です。研究じゃありません」
理亞「……」パタン スタスタ…
聖良「この部屋、監視カメラでも付いてるんでしょうか……」
7: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:24:00.32 ID:37JhQ+yM
聖良「まぁでも、そうですね。たまには初心に帰ってA-RISE、いいかもしれません」
聖良「どれ。――再生、っと」
ダンシン ダンシン ノンストップマイダンシン…♪
聖良「やっぱりA-RISEは素晴らしいですね。レベルが高い」
聖良「ん……今のステップ、面白い。私たちのダンスにも組み込めるかも。改めて見ると違った発見がありますね……」
聖良「どれ、えっと。振り付けのノートは――」
理亞「……」ガラッ
聖良「あ」
理亞「――ふんっ!」パシッ
聖良「あぁっ、ノートが!? 何でいつも絶妙なタイミングでやって来るんですか!?」
理亞「そろそろ何か始めそうだって思っただけ!」
聖良「どれ。――再生、っと」
ダンシン ダンシン ノンストップマイダンシン…♪
聖良「やっぱりA-RISEは素晴らしいですね。レベルが高い」
聖良「ん……今のステップ、面白い。私たちのダンスにも組み込めるかも。改めて見ると違った発見がありますね……」
聖良「どれ、えっと。振り付けのノートは――」
理亞「……」ガラッ
聖良「あ」
理亞「――ふんっ!」パシッ
聖良「あぁっ、ノートが!? 何でいつも絶妙なタイミングでやって来るんですか!?」
理亞「そろそろ何か始めそうだって思っただけ!」
9: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:24:45.81 ID:37JhQ+yM
理亞「もう。何でそう、すぐ作業しようとするの」
聖良「だって、時間があるから……」
理亞「ただ余暇を過ごしてもらえばいいだけなのに。姉様って普段、どんな風に過ごしてるんだっけ」
聖良「走って作詞して学校に行って作曲してダンスして店番してスクールアイドルのチェックをして衣装を作っていますが」
理亞「姉様っていつ寝てるの……?」
理亞「やっぱりちゃんと休んでもらわないとダメ。今日はそういうの禁止だから」
聖良「禁止と言われても」
理亞「……いつも姉様にばかり負担かけてることは分かってる。私も作詞や作曲、出来るようになりたいけど、まだまだだから」
理亞「だから今日だけでも、姉様にはゆっくり休んでほしい」
聖良「理亞……」
聖良「だって、時間があるから……」
理亞「ただ余暇を過ごしてもらえばいいだけなのに。姉様って普段、どんな風に過ごしてるんだっけ」
聖良「走って作詞して学校に行って作曲してダンスして店番してスクールアイドルのチェックをして衣装を作っていますが」
理亞「姉様っていつ寝てるの……?」
理亞「やっぱりちゃんと休んでもらわないとダメ。今日はそういうの禁止だから」
聖良「禁止と言われても」
理亞「……いつも姉様にばかり負担かけてることは分かってる。私も作詞や作曲、出来るようになりたいけど、まだまだだから」
理亞「だから今日だけでも、姉様にはゆっくり休んでほしい」
聖良「理亞……」
10: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:25:43.10 ID:37JhQ+yM
聖良「……分かりました。あなたにそう言われたら勝てません。今日はゆっくり休ませてもらいますね」
理亞「うん。ありがとう、姉様」
理亞「それじゃあ私は店番に戻るから。……ハッピーバースデイ」
聖良「……理亞。優しい子に育ちましたね、立派になって……」
聖良「どれ。理亞の気持ちは無駄に出来ません。たまの余暇、スクールアイドルのことを忘れるのもいいのかも」
聖良「楽しく、ゆっくりと。スクールアイドルを忘れて……忘れて」
聖良(……あれ)
聖良(私、何をすればいいんだろう……?)
理亞「うん。ありがとう、姉様」
理亞「それじゃあ私は店番に戻るから。……ハッピーバースデイ」
聖良「……理亞。優しい子に育ちましたね、立派になって……」
聖良「どれ。理亞の気持ちは無駄に出来ません。たまの余暇、スクールアイドルのことを忘れるのもいいのかも」
聖良「楽しく、ゆっくりと。スクールアイドルを忘れて……忘れて」
聖良(……あれ)
聖良(私、何をすればいいんだろう……?)
11: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:26:21.74 ID:37JhQ+yM
聖良(そういえばA-RISEと出会ってからというもの、今日までずっとスクールアイドル漬けだったような)
聖良(スクールアイドルに関係しないことって、何がありましたっけ……?)
聖良「私の趣味といえば――あ。そうだ。馬に乗りましょう、馬。楽しいですよね乗馬。……今から?」
聖良「いや。今からどさんこファームまで行くのは、ちょっと。準備ありますし。他に何か」
聖良「スキー、といっても今は5月だし。和菓子作り、をするにも厨房は理亞が仕事で使ってますし」
聖良「……」
聖良「スマホでも触ってましょうか」
聖良「……」スッスッ
聖良「……」スイスイスッスッ
聖良(どうしよう)
聖良(すっごい退屈です……)
聖良(スクールアイドルに関係しないことって、何がありましたっけ……?)
聖良「私の趣味といえば――あ。そうだ。馬に乗りましょう、馬。楽しいですよね乗馬。……今から?」
聖良「いや。今からどさんこファームまで行くのは、ちょっと。準備ありますし。他に何か」
聖良「スキー、といっても今は5月だし。和菓子作り、をするにも厨房は理亞が仕事で使ってますし」
聖良「……」
聖良「スマホでも触ってましょうか」
聖良「……」スッスッ
聖良「……」スイスイスッスッ
聖良(どうしよう)
聖良(すっごい退屈です……)
12: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:27:10.22 ID:37JhQ+yM
聖良「そうだ。部屋の片付けでも……いえ。十分片付いてますね」
聖良「何かないでしょうか。暇を潰せそうなものは」ゴソゴソ
聖良「うーん」ウロウロ
聖良「何かこう、違いますね」モゾモゾ
聖良「うーん」
聖良「うー……」
聖良(れ、練習がしたい……!)
聖良(何ですかこの無駄な時間は……っ! 走り込みしたい、ダンスしたい、もっと自分を高めなくては!!)
聖良(どうにか部屋の中で出来ることを――そうだ! 筋トレしましょう! スクワットです!)
聖良(脚を軽く広げ、真っ直ぐに腰を下ろし、重心を後ろへ、膝の角度は90度まで)
聖良「ふっ、ふっ、ふっ!」
聖良(ああ、楽しい――!)
聖良「何かないでしょうか。暇を潰せそうなものは」ゴソゴソ
聖良「うーん」ウロウロ
聖良「何かこう、違いますね」モゾモゾ
聖良「うーん」
聖良「うー……」
聖良(れ、練習がしたい……!)
聖良(何ですかこの無駄な時間は……っ! 走り込みしたい、ダンスしたい、もっと自分を高めなくては!!)
聖良(どうにか部屋の中で出来ることを――そうだ! 筋トレしましょう! スクワットです!)
聖良(脚を軽く広げ、真っ直ぐに腰を下ろし、重心を後ろへ、膝の角度は90度まで)
聖良「ふっ、ふっ、ふっ!」
聖良(ああ、楽しい――!)
13: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:28:08.64 ID:37JhQ+yM
聖良(仕上がってますよ、仕上がってますよ! 頑張る私は美しい!)
聖良(やっぱり時間がある時はこれですね! いつでもどこでも自己鍛錬、素晴らしい!)
聖良(今日はどれくらいやりましょうか。時間はたくさんありますからね、腕立て腹筋それから柔軟――夢が広がります!)
理亞「……楽しそうだね、姉様」
聖良「はい! 充実した一日になりそうです。これは理亞に感謝しないと――……あ」
理亞「結局練習……姉様は私のお願いを聞いてくれないんだ……」
聖良「ま、待って、待ってください理亞! これは違うんです!」
聖良「これは練習ではありません、ちょっと筋肉に負荷をかけるだけの遊びなんです!」
理亞「筋肉に負荷をかけるのじゃなくて、そうやって強くするのが目的でしょ」
聖良「育成ゲームのようなものです。ほら、毎日お世話しないと筋肉さんは機嫌を損ねてしまうんですよ」
聖良「分かるでしょう? ね?」
理亞「分かるけど絶対に違う」
聖良(やっぱり時間がある時はこれですね! いつでもどこでも自己鍛錬、素晴らしい!)
聖良(今日はどれくらいやりましょうか。時間はたくさんありますからね、腕立て腹筋それから柔軟――夢が広がります!)
理亞「……楽しそうだね、姉様」
聖良「はい! 充実した一日になりそうです。これは理亞に感謝しないと――……あ」
理亞「結局練習……姉様は私のお願いを聞いてくれないんだ……」
聖良「ま、待って、待ってください理亞! これは違うんです!」
聖良「これは練習ではありません、ちょっと筋肉に負荷をかけるだけの遊びなんです!」
理亞「筋肉に負荷をかけるのじゃなくて、そうやって強くするのが目的でしょ」
聖良「育成ゲームのようなものです。ほら、毎日お世話しないと筋肉さんは機嫌を損ねてしまうんですよ」
聖良「分かるでしょう? ね?」
理亞「分かるけど絶対に違う」
14: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:29:04.20 ID:37JhQ+yM
理亞「まったく……どうやったら姉様は休んでくれるの」
聖良「休みたくない訳ではないんです。ただちょっと、手持ち無沙汰と言いますか」
聖良「急に自由な時間を与えられても、一体全体、何をすればいいのか……」
理亞「定年退職したサラリーマンみたいなこと言わないでよ」
聖良「手に付かないんですよ。スマホを触っても本を読んでも、もっとこう、有意義な時間の使い方があるんじゃないかと」
理亞「……姉様のそういう努力家なところ、尊敬してるし私の目標でもある。でもたまには好きなことをしてほしい」
聖良「じゅうぶん好きなことをしてるつもりなんですけど……」
理亞「はぁ……そう言うと思ってたけど」
聖良「休みたくない訳ではないんです。ただちょっと、手持ち無沙汰と言いますか」
聖良「急に自由な時間を与えられても、一体全体、何をすればいいのか……」
理亞「定年退職したサラリーマンみたいなこと言わないでよ」
聖良「手に付かないんですよ。スマホを触っても本を読んでも、もっとこう、有意義な時間の使い方があるんじゃないかと」
理亞「……姉様のそういう努力家なところ、尊敬してるし私の目標でもある。でもたまには好きなことをしてほしい」
聖良「じゅうぶん好きなことをしてるつもりなんですけど……」
理亞「はぁ……そう言うと思ってたけど」
15: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:29:46.21 ID:37JhQ+yM
理亞「……分かった。じゃあ、少し走り込みでもしようか」
聖良「え、いいんですか?」
理亞「もうすぐお店も閉めるしね。閉めたら私も行くから、用意しておいて」
聖良「分かりました! ふふ、楽しみですね!」
理亞「……うん。すぐに行く」
~間~
聖良「はっ、はっ、はっ、はっ」タッタッタッタ…
理亞「……姉様、楽しい?」
聖良「はい! やっぱり練習はいいですね。こういう方が性に合います」
理亞「そう……」
理亞「ねえ、姉様。私、迷惑だった?」
聖良「え?」
聖良「え、いいんですか?」
理亞「もうすぐお店も閉めるしね。閉めたら私も行くから、用意しておいて」
聖良「分かりました! ふふ、楽しみですね!」
理亞「……うん。すぐに行く」
~間~
聖良「はっ、はっ、はっ、はっ」タッタッタッタ…
理亞「……姉様、楽しい?」
聖良「はい! やっぱり練習はいいですね。こういう方が性に合います」
理亞「そう……」
理亞「ねえ、姉様。私、迷惑だった?」
聖良「え?」
16: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:30:27.91 ID:37JhQ+yM
理亞「だって姉様、辛そうだったし。休んでもらえればと思ったけど、余計なお世話だったみたいで」
聖良「……」
理亞「私、ダメだ。ずっと姉様と一緒にいたのに、どうしたら喜んでもらえるかも分からない」
聖良「そう、ですね。でも、嬉しくなかった訳じゃないですよ」
聖良「あなたが私を想って、自分一人でやろうとして。……嬉しかったです。だから、もう十分」
理亞「それじゃダメ。ぜんぜん足りない」
聖良「ふふ。じゃあ、他に何をしてくれるんです?」
聖良「……」
理亞「私、ダメだ。ずっと姉様と一緒にいたのに、どうしたら喜んでもらえるかも分からない」
聖良「そう、ですね。でも、嬉しくなかった訳じゃないですよ」
聖良「あなたが私を想って、自分一人でやろうとして。……嬉しかったです。だから、もう十分」
理亞「それじゃダメ。ぜんぜん足りない」
聖良「ふふ。じゃあ、他に何をしてくれるんです?」
17: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:31:08.99 ID:37JhQ+yM
理亞「……それなら、競争でもしてみる?」
聖良「競争?」
理亞「そろそろいつもの折り返し場所でしょ。そこから家まで、早く着いた方が勝ちってことで」
聖良「珍しいですね、理亞がそういうこと言ってくるなんて」
理亞「姉様、こういうの好きでしょ」
聖良「ふふふ。――なんだ、分かってるじゃないですか」
理亞「それじゃあ行くよ。せーの……っ」
聖良「スタート!」タタタッ
聖良「競争?」
理亞「そろそろいつもの折り返し場所でしょ。そこから家まで、早く着いた方が勝ちってことで」
聖良「珍しいですね、理亞がそういうこと言ってくるなんて」
理亞「姉様、こういうの好きでしょ」
聖良「ふふふ。――なんだ、分かってるじゃないですか」
理亞「それじゃあ行くよ。せーの……っ」
聖良「スタート!」タタタッ
18: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:31:51.17 ID:37JhQ+yM
~間~
聖良「――はぁ、はぁっ。着きました、ゴールっ」
理亞「はーっ、はーっ。や、やっぱり敵わないや……」
聖良「はー……いえ、私もかなりギリギリでした。ここまで付いてくるなんて、さすがです」
聖良「少し前まではぜんぜん走れなかったのに。成長しましたね、理亞」
理亞「……うん」
理亞「ねえ、姉様」
聖良「はい?」
理亞「勝った景品。受け取って」
聖良「――はぁ、はぁっ。着きました、ゴールっ」
理亞「はーっ、はーっ。や、やっぱり敵わないや……」
聖良「はー……いえ、私もかなりギリギリでした。ここまで付いてくるなんて、さすがです」
聖良「少し前まではぜんぜん走れなかったのに。成長しましたね、理亞」
理亞「……うん」
理亞「ねえ、姉様」
聖良「はい?」
理亞「勝った景品。受け取って」
19: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:32:30.45 ID:37JhQ+yM
聖良「景品――あぁ。誕生日プレゼント? ふふ、これを渡すために競争を? あなたもなかなかロマンチストね」
理亞「い、いいでしょ! いらないなら渡さないけど!」
聖良「ああ、待って。欲しいです、ぜひ……えっと。包装、開けてしまっても?」
理亞「うん」
聖良「――わぁ、おしゃれなボールペン……え、ブランド物? 高いでしょう、これ」
聖良「わ、白い六芒星、雪みたい。かっこいい……! ありがとう、大切にしますね!」
理亞「うん。作詞や作曲とか、振り付けのメモにもペンは使うだろうから。それに――、」
聖良「それに?」
理亞「……ラブライブが終わったら、姉様は」
聖良「――ぁ」
理亞「っ、ごめん。なんでもない。……家に入ろう。ケーキ、焼いてあるから」
聖良「……ふふ」
理亞「い、いいでしょ! いらないなら渡さないけど!」
聖良「ああ、待って。欲しいです、ぜひ……えっと。包装、開けてしまっても?」
理亞「うん」
聖良「――わぁ、おしゃれなボールペン……え、ブランド物? 高いでしょう、これ」
聖良「わ、白い六芒星、雪みたい。かっこいい……! ありがとう、大切にしますね!」
理亞「うん。作詞や作曲とか、振り付けのメモにもペンは使うだろうから。それに――、」
聖良「それに?」
理亞「……ラブライブが終わったら、姉様は」
聖良「――ぁ」
理亞「っ、ごめん。なんでもない。……家に入ろう。ケーキ、焼いてあるから」
聖良「……ふふ」
20: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:33:26.60 ID:37JhQ+yM
聖良「理亞」ギュッ
理亞「あ、ちょ、姉様……! 走った後なんだから……それにここ外!」
聖良「ありがとう。今日のことも、本当は私のこれからを気遣ってくれたんですね。いつも練習漬けだから」
聖良「気付いてあげられなくて、ごめんなさい」
理亞「……」
聖良「でも、ごめんなさい。もうしばらくは今まで通りの私でいさせてください。他のことなんて、考えられないから」
理亞「……うん。そうみたいだね」
聖良「ふふ。――ああ、素敵な誕生日です。きっと、今日が今までで一番嬉しい……」
理亞「……じゃあ、次は優勝した日が一番になるね」
聖良「そうしたら、その次は理亞の誕生日が一番ですね。何をするか、今から楽しみです」
理亞「あ、ちょ、姉様……! 走った後なんだから……それにここ外!」
聖良「ありがとう。今日のことも、本当は私のこれからを気遣ってくれたんですね。いつも練習漬けだから」
聖良「気付いてあげられなくて、ごめんなさい」
理亞「……」
聖良「でも、ごめんなさい。もうしばらくは今まで通りの私でいさせてください。他のことなんて、考えられないから」
理亞「……うん。そうみたいだね」
聖良「ふふ。――ああ、素敵な誕生日です。きっと、今日が今までで一番嬉しい……」
理亞「……じゃあ、次は優勝した日が一番になるね」
聖良「そうしたら、その次は理亞の誕生日が一番ですね。何をするか、今から楽しみです」
21: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:34:09.59 ID:37JhQ+yM
理亞「姉様は、何をしてくれるの?」
聖良「そうですね――練習、しましょうか。2人で一緒に。競争もして」
理亞「うん。……私もたぶん、それが一番嬉しい」
聖良「ふふっ。それじゃあ、夕食にしましょうか。ケーキもあるんですよね?」
理亞「ラザニアもあるよ」
聖良「素敵です」
理亞「――姉様」
理亞「お誕生日、おめでとう」
聖良「ありがとう。これからもよろしくお願いしますね、理亞」
おしまい
聖良「そうですね――練習、しましょうか。2人で一緒に。競争もして」
理亞「うん。……私もたぶん、それが一番嬉しい」
聖良「ふふっ。それじゃあ、夕食にしましょうか。ケーキもあるんですよね?」
理亞「ラザニアもあるよ」
聖良「素敵です」
理亞「――姉様」
理亞「お誕生日、おめでとう」
聖良「ありがとう。これからもよろしくお願いしますね、理亞」
おしまい
22: 名無しで叶える物語(茸) 2020/05/04(月) 21:34:55.57 ID:wPtQpeE9
最高
23: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:35:03.42 ID:37JhQ+yM
これにておしまいです
読んで頂いた方、ありがとうございました
姉様、お誕生日おめでとう! そして水着イラストありがとう!
読んで頂いた方、ありがとうございました
姉様、お誕生日おめでとう! そして水着イラストありがとう!
24: 名無しで叶える物語(家) 2020/05/04(月) 21:37:57.67 ID:dMB5tQvB
ありがとう
25: 名無しで叶える物語(茸) 2020/05/04(月) 21:39:00.36 ID:w8OWHBdZ
誕生日にふさわしい愛を感じるSS
26: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:42:43.73 ID:c07N5m59
いい話をありがとう
27: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/05/04(月) 21:47:08.09 ID:iKmZcUWH
は?最高過ぎる
Saint Snowはいいぞ
Saint Snowはいいぞ
28: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2020/05/04(月) 21:47:08.80 ID:W0MinTJI
|c||^.- ^|| d
31: 名無しで叶える物語(家) 2020/05/04(月) 22:26:05.11 ID:ryWksS4C
素晴らしいです
32: 名無しで叶える物語(はんぺん) 2020/05/04(月) 23:58:04.24 ID:HqSqCt0r
モンブランとは随分と金持ちだな
35: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2020/05/06(水) 15:07:00.83 ID:Ni++3a7L
良かった乙
36: 名無しで叶える物語(関西地方) 2020/05/07(木) 03:38:03.90 ID:Vqw5Rrgp
素敵な姉妹愛だ、素晴らしい
こういう話好き
こういう話好き
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