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168: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2020/12/21(月) 20:38:13.40 ID:ZfPuBIOT
2、しずく
3、かすみ
5、愛
6、せつ菜(または、菜々)
7、エマ
9、遥
0、侑


>>169 キャラクターセレクト(上の1~0からのみ)
>>171 内容選択(自由)

※注意事項
全て彼方との組み合わせ

169: 名無しで叶える物語(しうまい) 2020/12/21(月) 20:47:00.33 ID:qtULx9hl
ななモード

171: 名無しで叶える物語(茸) 2020/12/21(月) 20:47:50.72 ID:XDd47Wys
ファミレス勉強会

172: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 21:14:38.58 ID:ZfPuBIOT
菜々「彼方さ……」

菜々「近江先輩!」

彼方「えっ?」

不意に飛んできた馴染み深い声での、馴染みのない言葉

振り返ると、

今は、中川菜々としてのせつ菜ちゃんが

駆け足で近づいてくるのが見えた

菜々「ま、待って……ください……」

彼方「せつ……」

彼方「生徒会長~? どうしたの~?」

せつ菜ちゃんと菜々ちゃんは別々の人

そう公言しているわけではないけれど

でも、せつ菜ちゃんがばらしていないからと……隠しておく

173: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 21:25:20.13 ID:ZfPuBIOT
菜々「……折り入ってご相談がありまして」

菜々「良ければ、ご一緒させて頂ければと」

彼方「相談……? 私に~?」

せつ菜ちゃんの姿であれば、

スクールアイドルについてのご相談だって察しが付く

でも、今は生徒会長の中川菜々としての相談

スクールアイドルのことではなさそうだし……

彼方「人生相談とか~?」

彼方「悪いけど、私には難しいよ~?」

菜々「いえ、それは大丈夫……とは、言い難いかもしれませんが」

菜々「それについては問題はありません」

174: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 21:50:13.14 ID:ZfPuBIOT
せつ菜ちゃんじゃないせつ菜ちゃん

生徒会長と二人で並んで歩くという異様さを感じながら、

少しだけ、静かな時間が流れる

快活さのある優木せつ菜はすっかりなりを潜めていて

本当に、同一人物とは思わせないような静けさがある

彼方「……それで~?」

菜々「学業、スクールアイドル、自宅のこと、アルバイト」

菜々「全てをこなしている近江先輩には恥ずかしい話ですが……」

菜々「前回の成績に比べて、今回の成績が良くなかったんです」

彼方「ん~?」

詳しく聞いた話ではないけど

赤点を取ったわけではなかっただろうし、平均点は越えていて

普通科の中で上位に入っている。と、

同じ普通科の侑ちゃん達から聞いた覚えがある

彼方「上位50人に入れなかったとか?」

菜々「いえ、10人から外れました……」

菜々「悔しいですが、学科別で12位です」

十分じゃないかな~?

とは、きっと、菜々ちゃんには言えないんだろう

175: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 21:56:26.02 ID:ZfPuBIOT
菜々「前回までは、トップ5には入れていたんですが……」

菜々「スクールアイドル活動に熱中するあまり、勉強を疎かにしてしまって」

菜々「いえ、もちろん……時期も時期ですので生徒会としての仕事も増えてはいたのですが」

菜々「……なんて、言い訳ですね」

菜々「そこで、ライフデザイン学科で上位に入っている近江彼方先輩にお勉強を教えて頂ければ。と」

彼方「……成績、教えたっけ~?」

菜々「生徒会長たるもの、成績優秀者くらいは把握していて当然です」

菜々「今回なんて1位だったんですよね?」

菜々「前回は5位でしたし……」

彼方「まぁ……そうだねぇ~……」

遥ちゃんが家事を手伝ってくれるようになって、

手伝わせてるんだから今までと同じような成績じゃおかしいよね?

なんて、自分で勝手に自分を追い立てた結果、

そんな成績になった。というだけなんだけど……

176: 名無しで叶える物語(茸) 2020/12/21(月) 21:58:19.39 ID:nDDPL5b8
彼方ちゃんえらい

177: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 22:20:02.62 ID:ZfPuBIOT
菜々「それで、いかがでしょうか?」

彼方「いいよ~」

彼方「私に教えられることにも限りはあるけど」

彼方「頼ってきてくれた可愛い後輩を、無碍には出来ないからねぇ」

そう言って、菜々ちゃんへと笑いかける

本当は、頭に触れてみたかったけれど

それは多分、菜々ちゃんが困っちゃうよねぇ

彼方「でも、それなら学園に戻ったほうが良かったんじゃないかな~?」

彼方「それとも今日はしない?」

菜々「いえ……明日やろう。は、一度使ってしまえば、明日の自分も使ってしまいます」

菜々「彼方さんさえ問題が無ければ、今日からお願いしたいので……」

菜々「ここ、寄って行きませんか?」

178: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 22:31:12.53 ID:ZfPuBIOT
菜々ちゃんが足を止めたそのすぐ隣にあるのは、一軒のファミレス

菜々「ファミレスでお勉強……してみたくて」

瞳をキラキラと輝かせている様は、せつ菜ちゃんそのもので、

ああ、やっぱり同一人物なんだなぁ……と、再認識させてくれる

菜々「勉強を教えて頂くお礼に奢らせてください」

菜々「そういうのも……ちょっと、やってみたいと思っていたんです」

菜々ちゃんは眉を顰めながら笑う

本当にそれをしたいと思っていたのか

私のことを気遣ってくれたのか。

……お礼って言うなら、甘んじて受けておいた方が

菜々ちゃんのためにもなるかな……

いや……

彼方「ありがと……」

彼方「でも、割り勘ね?」

彼方「その代わり、菜々ちゃんは成績上げること~」

彼方「約束だよ~?」

菜々「………」

菜々「……はいっ」

179: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 23:27:38.42 ID:ZfPuBIOT
――――――
―――

ファミレスはまだ人もまばらで、空席が目立っている

どこの席でもいいというので、端っこの角の席を選ぶ

ドリンクバーを含めて、軽食類を注文して……

菜々「彼方さんはお飲み物何に致しますか?」

彼方「アイスティーかな~」

彼方「あ、混ぜちゃだめだよ~?」

菜々「しませんよ」

菜々「今は、生徒会長ですから」

生徒会長じゃなかったらするのかな?

なんて。

そんなことは突っ込まずに菜々ちゃんが戻ってくるのを待つ

ファミレスでの勉強会

菜々ちゃんは何で憧れたんだろう?

やっぱり……漫画とか、なのかな?

180: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/21(月) 23:43:41.77 ID:ZfPuBIOT
菜々ちゃんが戻ってきて、

アイスティーをストレートのまま口に含む

氷に冷やされたほのかな甘さが喉を通っていくのが、心地いい

彼方「それで、菜々ちゃんが教えて欲しい教科って?」

菜々「えぇっと……日本史です」

彼方「日本史……?」

彼方「二年生の今頃っていうと、近世中盤かな~?」

菜々「さすがですね……元禄文化に入ったあたりです」

彼方「私も数か月前までは二年生だったからねぇ」

菜々「彼方さんはどこまで?」

彼方「2年終わりで開国のところだったよ~」

彼方「普通科の授業スピードは分からないけど」

彼方「授業量を考えると菜々ちゃん達はもう少し先に進みそうだねぇ」

彼方「明治辺りまで進むのかな?」

181: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 00:07:39.47 ID:q/6Yz7c4
彼方「でも、日本史って暗記するだけだよ~?」

菜々「極論、全教科暗記するだけですよ?」

菜々「問題はそれをどう記憶するか。ではなく」

菜々「それをどう思いだすか。だと思います」

菜々「……聞いた話、子供のころから整理整頓が得意な子は覚えるのが得意らしいです」

彼方「へぇ~……」

菜々「これはここに、あれはあそこに、それはあっちに」

菜々「小さい頃から、頭の中に箪笥に似た引き出しが形作られて」

菜々「そこに記憶を保存する。らしいです」

菜々「なので、頭の中のどこに何があるのか……記憶。つまり」

菜々「想起力が極めて高くなるらしいですよ」

菜々「残念ながら、私にはよくわかりませんが……」

182: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 01:00:07.87 ID:q/6Yz7c4
彼方「でも、研究者とかって、片付けが出来ない人もいるって聞いたよ~?」

菜々「その人にとっては、整理されている。のかもしれません」

菜々「少なくとも、ただ片付けが出来ない人とは違うと思います」

彼方「そっかぁ~」

ちょっとした雑談を交えながら、日本史の勉強を始める。

私は私で宿題を進めていく

菜々「この前の試験で、先生が悪戯で問題を出題して来たんです」

彼方「ん~?」

菜々「織田信長の目に留まって土佐藩主となった人はって……」

彼方「えぇっと……」

信長の時代で土佐藩主

特に重要な内容でもない気はするけれど……悪戯問題としてはありなのかなぁ?

彼方「山内一豊……だったっけ~?」

菜々「当たってます……明智光秀の娘は、わかります?」

彼方「え~……なにその問題……」

彼方「忠興の妻ではなく、娘ってことなら明智珠子かな?」

彼方「それとも細川姓のガラシャが正解?」

菜々「ガラシャで三角でした」

彼方「わぁ……」

183: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2020/12/22(火) 01:00:32.11 ID:q/6Yz7c4
続きは明日

184: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 09:55:08.52 ID:q/6Yz7c4
悪戯というか、意地悪というか

ちょっとした小ネタの問題としては、少し意地悪かもしれないなぁ……

菜々「とはいえ、一応授業中にお話しされたことだったんです」

菜々「補足……と言いますか」

菜々「余談をお話してくれるのですが、そこから出された問題だったのでみんなが正解を知っていたはずなんです」

普通科の日本史の先生は、ライフデザイン学科の私たちとは担当教諭が異なるらしい

それはそうだろうと思う。

普通の高校に比べて学科もいくつかあって、生徒数も多くて

専門はともかく、必修科目については各教科一人ではとても対応しきれない

で、その普通科の教諭は、授業のたびに1つか2つの余談を話してくれるそう。

なるほど、授業をしっかりと聞いていれば正解できる

悪戯というよりは、確認テストの意味合いもあったのだろうか?

彼方「私のところは、そういうのはなかったかなぁ」

菜々「でも、彼方さん知ってましたよね?」

彼方「勉強、したからねぇ……」

185: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 10:07:35.65 ID:q/6Yz7c4
彼方「引っ掛け問題というか」

彼方「意地悪な問題として三味線の古い呼び方は出されなかったの~?」

彼方「私のところは確か、それが出たんだよねぇ」

菜々「いえ、三味線がどこから伝わったのか……というのは出ましたが」

菜々「それについては出ませんでした」

彼方「そっかぁ……」

彼方「……あ、それ違うよ菜々ちゃん」

彼方「永徳は師の方で、門人は山楽だよ」

菜々「えっ、あっ……」

菜々「すみません、ありがとうございます」

彼方「松鷹牡丹の山楽しい……で覚えたんだよ~」

彼方「松鷹図、牡丹図を描いた人は? みたいなので出てくるから」

186: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 10:16:16.35 ID:q/6Yz7c4
菜々「ふふっ、なんだかリズミカルな覚え方ですね」

彼方「大体そんなものだよ」

何気なく聞いていた曲も

気付けば口ずさめてしまうくらいに覚えていることもある

だから、

何かを覚えるときはそういう風に、形作った方が良いみたいなのもある。なんて、

何の教科の先生だったかは覚えてないけど

言ってた気がする。

英語……だったかな?

菜々「では松鷹ではなく、松林の方は分かりますか?」

彼方「智積院襖絵の長谷川等伯でしょ~」

菜々「……なるほど」

菜々ちゃんは教科書を一瞥すると

あってます。と、小さく笑いながら言う

菜々「まさかそんな、すんなり答えられるとは思いませんでした」

彼方「凄いでしょ~」

菜々「ええ、ほんと……尊敬します」

187: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2020/12/22(火) 10:22:15.38 ID:V+Q3XQEp
こんなssかけるあなた天才

188: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 10:24:37.14 ID:q/6Yz7c4
菜々「彼方さんなら、生徒会長になることも出来たのでは?」

彼方「誰だって生徒会長になることは出来ると思うよ~?」

彼方「もちろん、ある程度良識がないといけないけど……でも、基本的にはなれると思う」

彼方「でも、成し遂げられるかは……また別の話だよ」

生徒会長としての役割は

特別多いわけではないって、菜々ちゃんは言うけれど

生徒の代表としての自覚を持って~的なある種のプレッシャーは感じることになると思う。

私は多分そう言った拘束感は苦手だ

彼方「だから、私は無理~」

菜々「生徒会長の机で突っ伏して眠る生徒会長」

菜々「それを補佐する副会長……なんていうのも、面白くありませんか?」

菜々ちゃんは楽し気に笑っていた

私が生徒会長で、菜々ちゃんが副会長?

しっかり者の副会長に、やや不真面目な生徒会長

つまり……アニメか漫画にそんな生徒会があるのかな

189: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 10:30:42.32 ID:q/6Yz7c4
彼方「そうだねぇ……ちょっと面白いかも」

菜々「会長! もう、起きてくださいっ……」

菜々「生徒の代表としての威厳を持ってくださいっ」

彼方「いわれそ~」

菜々「ふふっ。でも、成績は副会長よりも上なんですよ」

菜々「常にトップ3に入っていて、副会長は尊敬してるんです」

アニメの設定なのか

それとも、そんなことは関係なしに菜々ちゃんがそうなのか。

菜々ちゃんは尊敬しますと言ってくれたから……。

彼方「体を揺さぶられて、ちょっとだけ顔を上げて……」

彼方「あぁ……菜々ちゃん。おやすみぃ……ってなるんだよねぇ~」

菜々「そうですそうですっ」

菜々「それに悪態をつきながらも……あと少しだけですからね? って、許しちゃうんですよ」

190: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 10:45:56.44 ID:q/6Yz7c4
菜々ちゃんはせつ菜ちゃんを混ぜ込んだ明るさを感じさせる会話を続けながら、

それでも、手はしっかりと問題を解いている。

もちろん、私もちゃんと課題をすすめて……無事終了

菜々「人掃令ってどう覚えました?」

菜々「普通に、以後悔い残す。ですか?」

彼方「獄中人掃い令だったかな~……」

彼方「ほら、1591って、1に囲まれて檻の中みたいでしょ~?」

彼方「だから、59中……獄中」

菜々「なんて覚え方を……」

彼方「一目見て、檻の中だ~って思っちゃって……」

菜々「……まさかとは思いますが、文禄の役は、ごく潰しの文禄ですか?」

彼方「おぉ~……正解~」

菜々「先生、異国に攻め入るって言いませんでした?」

彼方「それはそれ、これはこれ~」

菜々「ふっ……ふふふっ、ほんとう、彼方さんは面白いです……」

191: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 11:39:58.79 ID:q/6Yz7c4
菜々「優木せつ菜になってしまいます……」

彼方「学校の外だから、いいんじゃないの~?」

菜々「いえ、あくまで私は中川菜々ですから」

菜々ちゃんは料理が運ばれてきたのを確認すると

いったん休憩に。と言って、ノートなどを全部鞄に引っ込めていく

私もしまい終えるころに

丁度、店員さんが料理をテーブルに並べてくれた

サラダと

あとはちょっとしたサイドメニュー

私は遥ちゃんと夕食もあるから本当に軽く。

二人で分けるように頼んだので、量はそれほど多くはない

取り皿を持ってきてもらって……いただきます

192: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 11:50:57.40 ID:q/6Yz7c4
菜々「こうして寄り道をするのは、同好会を発足させてからもあまりなかったですね」

彼方「カフェでテイクアウトとかはしてたけど」

彼方「ファミレス寄ったりはしてなかったよねぇ」

菜々「ええ……校則で決められていませんが」

菜々「何となく、気後れしてしまうと言いますか……」

彼方「でも、勉強するためだから良いんだよ~」

彼方「これは大丈夫~」

頼んでみたスープをひとすくい

零れないように気を付けて

彼方「はい、あ~ん」

菜々「えっ、えぇっ……」

彼方「ん」

菜々「ぁ……ぁ~ん……」

照れくさそうに頬を染めて、

周りを気にしながら、差し出したスプーンを咥える菜々ちゃん

菜々「ぁ、美味しい……」

193: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 12:07:55.82 ID:q/6Yz7c4
彼方「でしょ~」

彼方「……ゴクッ」

菜々「ぁっ……」

彼方「ん?」

菜々「い、いえ……」

スープを口に含んだ私から顔を背けた菜々ちゃんは、

いそいそとフォークを握って、サラダを小皿に取り分ける

私の分と、自分の分

何も言わずにやってくれるのは、菜々ちゃんの優しさかな

彼方「みんな、言うほど私達のことを見てないよ~」

彼方「この付近にある学校の、いち生徒ってくらいにしか思われてないと思う」

だからっていうわけじゃない。

菜々ちゃんがせつ菜ちゃんであり

せつ菜ちゃんが菜々ちゃんである本当の理由は知らないから、

変なことは言えない

彼方「菜々ちゃんが生徒会長だなんて、ここの人達は知らないから」

彼方「少しくらいはしゃいじゃっても、大丈夫だよ」

菜々「彼方さん……」

菜々「確かに、そうかもしれませんね」

菜々「ですが、これでも普段の中川菜々としては、十分はしゃいじゃってるんですよ?」

菜々「……お友達とファミレスで勉強会。憧れていたので」

194: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 13:08:25.70 ID:q/6Yz7c4
彼方「え~?」

彼方「彼方ちゃんは、菜々ちゃんのお友達なの~?」

菜々「えっ……」

彼方「先輩って、呼んで~?」

菜々「せん、ぱい……?」

菜々「近江先輩」

校門のところでも呼んでくれた近江先輩

でも、ちょっと違う。

彼方「名前の方でも、呼んで~」

菜々「えっと……」

菜々「彼方先輩……?」

菜々「か、彼方先輩……」

近江先輩と呼べるのに

彼方さんとも呼べるのに

馴染みのない彼方先輩と呼ぶのは……菜々ちゃんにはちょっぴり恥ずかしかったのか

頬が赤くなっていくのが見えた

……かわいい

彼方「先輩って呼ばれるのも悪くないねぇ」

菜々「あ、あんまりからかわないでくださいっ」

彼方「ごめんごめん」

彼方「菜々ちゃんと私は、ちゃんとお友達だよ~」

195: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 13:16:30.85 ID:q/6Yz7c4
少し前までは、菜々ちゃんとこんな風に一緒になるなんて想像もつかなかったし

ましてや、勉強を教える側になるだなんてありえない話だった。

でも、そうなってる。

それはきっと、スクールアイドルとしての繋がりがあったから。

彼方「スクールアイドルって……たった一つの結びつきで」

彼方「私と菜々ちゃんは繋がれたんだねぇ」

菜々「……そうですね」

菜々「こうして、二人でおしゃべりする間柄になるとは思ってもみませんでした」

菜々「当初の優木せつ菜とは、険悪……のようなものでもありましたし」

彼方「そうだったね~」

侑ちゃん達の尽力で再結成する前、

かすみちゃんとせつ菜ちゃんの理想のぶつかり合い

理想を追い求めるせつ菜ちゃんにとって

私の姿勢はあんまりよくないものだったから……怒られたりもしてて。

菜々「あの頃は、理由を知らなかったとはいえ……酷い態度を」

彼方「良いよ良いよ~もう、過ぎた話だから」

196: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 13:22:47.88 ID:q/6Yz7c4
今は仲良くやれているんだもん。

昔のことを掘り起こして、

無駄に関係を悪くする必要なんてないと思うから。

彼方「今は仲良しだからねぇ」

菜々「……ありがとうございます」

彼方「良いって、良いって」

彼方「さっ、それよりも早く食べちゃって勉強の続きしようよ」

菜々「そうですね……宜しくお願いします」

彼方「菜々ちゃんは元々頭がいいから」

彼方「あんまり役に立ててないけどねぇ」

菜々「そんなことないですよ」

菜々「歴史に関する語呂合わせとか……面白かったです」

彼方「面白い~?」

楽しそうな菜々ちゃんの笑顔

それはやっぱり、せつ菜ちゃんらしい明るい笑顔

197: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 13:29:46.58 ID:q/6Yz7c4
日本史の勉強はひとまず終了して、

次はもう少しだけ時間があるからと英語に移る

私は英語が得意なわけじゃないけどねぇ……

せつ菜「……主語を抜き出してって、問題で間違えたんですよ」

彼方「主語?」

せつ菜「はい。この文章のこの部分から、主語を抜き出してっていう問いがありまして」

せつ菜「the houseを書いたら違うと……」

彼方「あぁ……なるほど」

せつ菜ちゃんの英語の点数は凄く高い

殆ど正解しているし、

間違っているのだって勘違いし易かったりと

そう言うものばっかりだ

彼方「これ、the houseの前に前置詞がついてるからだよ」

彼方「少し前に、似たような文章で主語をこれとして書いてあったから引っかかりやすいけど」

彼方「前置詞のInがついて、In the houseってなってるから主語は動詞の後ろ」

彼方「こっちだね~」

198: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 13:33:34.05 ID:q/6Yz7c4
彼方「先生から言われてない?」

彼方「前置詞のついた名詞は主語には出来ないよ~って」

菜々「えっと……」

菜々「あぁっ……言ってました」

菜々「ノートにも……」

自分の英語の授業ノートのページを捲り捲った菜々ちゃんは、

その頃のページを見つけたのか、

目を見開いて、肩を落としてしまう

菜々「書いてあったのに……」

彼方「あははっ、うっかりさんだ~」

菜々「いえ、これは勉強不足ですよ」

菜々「……ちゃんとしていれば、こんなミスなんてしなかったはずですから」

199: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 13:55:25.57 ID:q/6Yz7c4
彼方「それを考えると、この先のミスも答えがちょっと見えてくるかな~?」

彼方「この和文を、以下の単語を使って英文に書き換えるなら」

彼方「自動車が出来たばかりの頃……だから」

彼方「In the early days of the automobile……になるはず」

彼方「で、ここ」

彼方「thinking very highly ofってあるけど、did notがあるから、あまり重視しなかったって意味になる」

菜々「……そんなミスを」

彼方「こういうテストって、一つ勘違いしたりすると」

彼方「連鎖的に間違えちゃうのが怖いんだよね~」

わかるわかる~

と、落ち込む菜々ちゃんに優しく声をかけてみる

実際、私もやらかすことはあるから……

彼方「ちょっと、飲み物取ってくるよ~」

彼方「菜々ちゃんどうする?」

菜々「あっ、すみません……では、ウーロン茶で」

彼方「おっけ~」

200: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 14:10:56.64 ID:q/6Yz7c4
菜々ちゃんの分のウーロン茶と

自分の分のアイスティーを持って席へと戻る

私がいない間も熱心に自分のノートや教材を見ている菜々ちゃんは、

本当に、真面目ないい子だ

彼方「お待たせ~」

菜々「ありがとうございます」

菜々「本当なら、私が行くべきなのに」

彼方「気にしない気にしない」

彼方「生徒会長は生徒をこき使っていいんだよ~」

菜々「いいわけありませんよっ」

飲み物を一口飲んで、ため息一つ

一先ず落ち着く時間を少しだけ。

そうすると、

だんだんと人が増えてきているのを示すような騒がしさに満ち始めているのを感じた

見回してみれば、

最初は空席が目立っていた店内は埋まりつつある

201: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 14:38:50.66 ID:q/6Yz7c4
彼方「そろそろお開きかな~」

菜々「あっ……そう、ですね……」

菜々「………」

菜々「デザートっ」

菜々「デザートとか……食べてみたくありませんか?」

彼方「そうだねぇ」

荷物をまとめる私の一方で、

メニューを取り出した菜々ちゃんはデザート欄を開いて、私の方に向ける

ケーキとかパフェとか……プリンとかアイスとか

いろんなデザートがある

菜々「せめてものお礼に」

彼方「ん……じゃぁ」

彼方「お言葉に甘えて」

202: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 14:54:37.72 ID:q/6Yz7c4
それぞれケーキとプリンを頼んで、もう少しだけ二人だけの時間

賑やかになった店内で、

時折、走り回る小さい子供がドリンクバーの近くに見えた

彼方「角を選んでおいて良かったねぇ」

菜々「そうですね……」

菜々「………」

菜々「あの」

彼方「なぁに~?」

菜々「今日は、ありがとうございました」

彼方「そんな沢山は教えてあげられなくてごめんね」

菜々「いえ、日本史と英語に関しては」

菜々「試験で間違えたところの復習と確認が出来ましたし……」

菜々「課題だって、彼方さんのおかげで出来ちゃいましたから」

203: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 15:12:33.74 ID:q/6Yz7c4
彼方「そっか、良かった」

菜々「………」

菜々「……なんというか、不思議な感じです」

彼方「どして?」

菜々「学年も、学科も違うのに」

菜々「ただスクールアイドルというだけでこんな風にお付き合いできる関係になれたからです」

菜々「……スクールアイドルを」

菜々「自分の気持ちを捨てなくて本当に良かったなって、思います」

菜々ちゃんは凄く嬉しそうに笑う。

それはそうだよね~……

だって、自分のやりたいことをやって、

そのうえで……楽しいことが出来て、嬉しいことがあって、幸せになれたんだから

彼方「ほんとほんと~」

彼方「菜々ちゃんが、それを捨てずにいたから」

彼方「愛ちゃん達も加入してくれたわけだしね~」

204: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 15:20:03.84 ID:q/6Yz7c4
菜々「………」

菜々「あの……わた――」

菜々ちゃんが何かを言いかけたところで、

お待たせしました。と、デザートが運ばれてくる

それを見た菜々ちゃんは、

嬉しいような悲しいようなちょっぴり複雑な笑顔を浮かべると、

小さなため息をついて。

菜々「私と……またこうして付き合って頂けませんか?」

菜々「優木せつ菜と中川菜々」

菜々「その両方と」

彼方「良いよ~」

注文したケーキを一口食べる

甘さが口いっぱいに広がってくる中に、

イチゴの微かな酸味が混じるのが美味しいショートケーキ

フォークで一口分を切り取って……

彼方「はい、ぁ~ん」

菜々「えっ……」

彼方「ほら、落ちちゃうよ~?」

菜々「……ぁ~ん‥…」

205: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 15:30:37.51 ID:q/6Yz7c4
菜々「モグモグ……」

彼方「また今度……そうだねぇ」

彼方「勉強とか関係なくても、寄り道したいね~」

菜々「……いいんですか?」

彼方「用事がなければになっちゃうけどね~」

まだまだ知らない、中川菜々としてのせつ菜ちゃん

二人は一緒だけど、

でも、それぞれが少しずつ違っていて

その境界線がなくなる瞬間が、本当の " 姿 " だと思うから。

もうちょっと、もう少し。

後1年もないけれど。

知っていけたらいいなって……思ってたり。

菜々「では……その……」

赤面する菜々ちゃんは、自分のスプーンでプリンをすくって私に向ける

菜々「ぁ、あ~ん……してください」

私のからかいへのお返し。

彼方「ぁ~むっ」

彼方「ゴクンッ……ん……美味しいっ」

遥ちゃんとやり慣れてる私には効かないよ~?

206: case.4:菜々と勉強会(らっかせい) 2020/12/22(火) 15:38:17.00 ID:q/6Yz7c4
菜々「……別に普通のこと。ですか」

彼方「そうだねぇ」

少し残念そうな菜々ちゃんは、

スプーンを一瞥すると、また普通にプリンを食べていく

菜々「……彼方さんといっぱい話せてよかったです」

菜々「また今度、一緒に遊びましょう」

彼方「うん、また今度」

せつ菜ちゃんではなく、菜々ちゃんとなのか

菜々ちゃんではなく、せつ菜ちゃんとなのか

それは、遊ぶことが決まってからのお楽しみ……かな?

菜々「今度、お弁当つく――」

彼方「あーっ、そう。そうだ!」

彼方「お料理のお勉強しよ~?」

菜々「いいですね……ぜひっ」

菜々「ご指導ご鞭撻、宜しくお願いします」

彼方「先輩に~まっかせなさ~い」

うん。

その方が良さそうだ……なんて、本人には言えないけどね

207: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2020/12/22(火) 15:42:18.42 ID:q/6Yz7c4
case.4:菜々とファミレス勉強会 終了

ヒストリ
case1.果林(洋服選び 5-32)
case2.璃奈(菓子作り 45-102)
case3.歩夢(クソゲー 118-151)
case4.菜々(お勉強会 172-206)

208: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2020/12/22(火) 15:44:02.54 ID:q/6Yz7c4
次のcaseはまた後ほど

209: 名無しで叶える物語(茸) 2020/12/22(火) 16:08:10.38 ID:4YIncJY1

次のcaseも待ってる
こっちが休憩に入るとはるかなSSの方期待しちゃうわ

https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1608125472/